食いしばった顎は、忙しくてストレスの多い生活の残念な副産物です。夜に歯ぎしりをしていたり、固い食べ物を食べ過ぎていたり、姿勢が悪い場合、顎を酷使しているかもしれません!これらの症状を放置すると、慢性的な顎関節症(TMJ障害)へと進行する可能性があります。
笑う・話す・あくびをする・噛む——私たちは日々、顔の筋肉を激しく使っています。しかし、日々気にするのはシワぐらいで、顔の筋肉そのものを意識することはほとんどありません。ヨガインストラクターやセラピストが「顔と顎をリラックスしてください」と指導すると、多くの女性が自分の顔の筋肉にどれだけ緊張があるかに驚くものです!
TMJ、つまり顎関節は、下顎(下あご)をこめかみの部分で頭蓋骨に繋げている関節です。この関節につながる筋肉は、頬・顎(咬筋)・首から頭頂部(側頭筋)まで広がっています。首の後ろの筋肉も顎関節の正しい位置や機能に関わっています。
顎関節は顎を支える、さらには咀嚼や飲み込みなどにも関わります。顔や首周辺の複数の重要な筋肉が交差しているので、ここに問題があれば他の部分にも影響しているサインかもしれません。TMJのトラブルは、生活に過剰なストレスがある典型的なサインでもあります。
TMJ障害の「正しい」名称はTMD(顎関節障害)ですが、多くは関節自体の名前が問題全般の呼称として使われます。
顎が常に食いしばっていたり、夜間や日中に歯ぎしりをしているなら、ほぼ間違いなくストレスや不安が原因です。 ただし、他にも考えられる要因を最初に整理しましょう。
顎の位置や構造は人それぞれ微妙に異なります。口を開閉すると「カクッ」と音が鳴ったり、ポキッとするが痛みや違和感がない場合、関節を包むカプセル(線維性膜)の位置がほんの少しずれていて、滑らかに開かず「跳ねる」状態になっているだけかもしれません。
このような構造的な特徴は遺伝です。擦れる関節は長期的には摩耗しやすいので経過観察は必要ですが、「ポキッ」と音がするだけなら心配はいりません。自身の体のちょっとした個性です。
TMJの問題は歯並びや口腔内の健康とも関連しています。 歯の感染や奥歯のトラブルが、顎関節の炎症につながることもあります。
また、外傷が顎のずれを引き起こすことも。転倒や外力を受けた後に顎に痛みが出た場合は、顔の構造を確認してもらうのが安心です。頭部や顔以外への衝撃(例:足や背中)でも、顎関節に影響が及ぶことがあります。主治医や歯科医でレントゲン撮影を行いましょう。
TMJ障害は他の疾患とも関連しやすく、顎は他の深刻な病気のシグナルとなる「弱点」です。アレルギー、呼吸障害、慢性的な筋肉・神経痛、睡眠や不安障害、過敏性腸症候群などが該当します。顎の痛みはリウマチや関節炎のサインとしても知られています。
顎に痛みがあるときは、舌の安静時位置にも注目を。通常、舌は上顎の歯の裏側・口蓋にやさしくついているべきです。もし自然にそうならない場合は、トレーニングが必要ですが改善は可能です。舌が奥歯の間や下の歯、他の位置にあると首や顎に余計な負担がかかります。
この記事の後半の顎・顔エクササイズも舌のポジション矯正の助けになります。
現代のオフィスワークの生活は、TMJ障害を大きく助長します。ストレスだけでなく、日々の姿勢も大きな要因です。
パソコンやスマートフォン、車の運転時に陥りやすい「スマホ首」や「前のめり姿勢」は、首〜肩甲骨〜背中まで広い範囲に大きな負担をかけます。下顎が前や後ろに突き出されることで、TMJに余計な負担がかかります。
前傾姿勢のときは、体全体(腕や肩も含めて)が前に出る傾向が。腕を後ろに大きく伸ばして胸を開くことで肩甲骨まわりをほぐすよう、こまめに動かしましょう。
この問題を避けるには、エルゴノミクス(人間工学)設計の椅子を使ったり、背筋をまっすぐ伸ばす/ややもたれかかるように座ること。そして1〜2時間ごとに頭と首をいろいろな方向にやさしく伸ばし(うつむきや脇を見るような斜め下も)、筋肉の緊張をほぐしましょう。
たいていの場合、顎の片側だけが痛む女性は、パソコンやスマホ作業中に顎を手のひらに乗せていないか確認しましょう。その姿勢は猫背になりやすく、良い姿勢を崩します。頭を前に出す偏った姿勢となるうえ、顎を上から押し上げることで、既にずれている顎に直接負担をかけてしまいます。癖を直すのは大変ですが、正しい姿勢を意識するだけで健康への効果が期待できます。
姿勢全般の改善と、筋トレ・有酸素運動をバランスよく週に数回おこないましょう。特に肩・首・胸周辺の緊張をこまめにほぐすことも大切です。
肩・腕・首・背中上部を鍛える中強度トレーニングを週2〜3回は行いましょう。
筋肉をストレッチするのと同様、最低でも数時間ごとに顎の力を抜く意識を持ちましょう。スマホでアラームを設定すると良いです。 ただし、すでに顎が緊張しTMJに痛みが出ている場合、意思だけでリラックスさせるのは難しいことも。下記のエクササイズを活用してください。
次の方法で、顎の緊張をすぐに和らげることができます:
平らなもの(アイスの棒や鉛筆など木やプラスチック製がおすすめ)を前歯の間に挟み、固定します。物の位置を調整しながら、歯で支えるようにしてみてください。TMJの圧が緩み、楽になるはずです。
顔をリラックスさせ、手のひらの付け根をこめかみに置き、両サイドの顔を頭頂から下へ同時にゆっくり撫で下ろすことで、顎が自然と開き筋肉がほぐれます。必要に応じて数回繰り返しましょう。
耳のまわりの筋肉をマッサージしましょう。 両耳の両サイドに指を置き(薬指・小指はこめかみ、中指・人差し指は首の後ろ=頭板状筋)、強めにアップダウンしながらほぐします。顎の咬筋まで下ろして同じようにマッサージします。
顎に温湿布を使いましょう。 湿らせて温めたタオルを1日3〜4回、15分ずつ当てて筋肉を緩めます。
鎮痛剤(イブプロフェンなど)も痛みや炎症の軽減に役立ちます。
TMJ障害の症状を根本的に改善するには生活習慣の見直しが不可欠です。姿勢や全身の健康管理がとても重要。作業中も1〜2時間ごとに、腕や胸・肩を意識的にストレッチしましょう。
TMJ障害は睡眠トラブルともつながりやすいので、不安のケアや呼吸法・リラクゼーションを日常や就寝前に取り入れましょう。枕やマットレスも快適な寝姿勢になるよう見直しを。
ナイトガードやバイトプレートを使うことで、夜間の歯ぎしり・顎の食いしばりから守る手段もあります。オーダーメイドのものを主治医や歯科医から処方してもらえます。
ナッツ・生のニンジン・キャラメルなど固いものは控えましょう。 ガムもNG。顎を休ませてください。
左右どちらか片側だけでなく、両側で交互によく噛む習慣を!
顔のマッサージは毎日オイルやクリーム、ココアバター等で摩擦を減らしながら行いましょう。決まった時間にすることで習慣化しやすくなります。(例:就寝前)セルフマッサージは顔をリラックスさせる大切なポイントです。
手洗いや道具の衛生面には必ず注意しましょう。
主なマッサージ方法:
両手で同時に小さく円を描きながら、顎関節から顎骨、こめかみへと順にマッサージします。
指や拳を使い、咬筋(顎の筋肉)をマッサージ。顎関節から口角に向かって斜め下に動かしながら、顎の力を抜いてほぐしましょう。口を閉じた状態・開けた状態で試してみて。
顎の筋力と可動域アップのエクササイズも重要。鏡で姿勢を確認し無理なく行いましょう。
舌先を上の前歯の裏と口蓋に置き、そのままゆっくり口を最大まで開けてまた閉じます。どこでクリック音があるか確認しながら10回繰り返します。
舌を上にキープしたまま、下顎を左右に動かす運動を10回、前後にも動かしましょう。これで可動域を保ち関節をスムーズにします。
「チンタック」もおすすめ。口を閉じ、背筋を伸ばした姿勢で頭だけ後ろに引く(エジプト風のダンスっぽく、後方のみ)動きを数秒キープ、5回繰り返します。壁に背中をつけて頭を後ろ上方にスライドさせる方法でも。無理せず行いましょう。
かなり重度の場合、顔の骨の位置や関節そのものを矯正する外科手術が必要になることもあります。これらの手術は口腔外科や顎顔面外科の専門医が行います。
ボトックス注射はTMJの治療に使われることもあり、咬筋やこめかみ、額などに注射して顎の緊張を和らげます。比較的安全な処置ですが、持続は数ヶ月で根本原因にはアプローチできません。
代替医療では鍼治療やアロマセラピーなど、症状の緩和に役立つ手法も提供しています。
顎の痛みや違和感があれば、遠慮せず医師に相談しましょう。顎の痛みは一見軽そうでも、慢性的な不調同様に気分を落ち込ませやすいものです。女性特有の慢性痛のように、さまざまな治療法も用意されています。自身の体のサインを無視せず、きちんとケアすることで不快な顎の症状を徐々に改善できるはずです。
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