生理が始まるとひどく疲れる…そんな女性は少なくありません。月経前や生理中にエネルギー不足を感じるのはとても一般的です。多くの女性がこの時期、眠気やだるさを感じやすくなります。月経周期のこの段階をもっと穏やかに過ごすためには、自分の体で何が起きているのかを理解し、しっかりセルフケアすることが大切です。生理中の不眠の解決は、大きな矛盾を解くことと同じ。日中の疲労感こそが、夜の眠りを妨げているのです。
昼寝をしたくなる気持ちはよく分かりますが、疲労感の原因が必ずしも睡眠不足とは限りません。時には、逆に『運動』こそが最良の解決法になり得ます。それは月経期間中のみならず、周期全体においても同様です。
エネルギー不足の原因を理解するためには、月経周期のフェーズごとにホルモンの分泌量が変化することを思い出しましょう。排卵直前はホルモン分泌がピークとなり、エネルギーも高まりますが、生理が近づくとホルモンが減少し、それに伴ってやる気やエネルギーも低下しがちです。
ホルモン低下の時期は、つい甘いものや脂っこいものが食べたくなりがち。でも、この誘惑には注意が必要です。
甘いものを食べると、すい臓から大量のインスリンが分泌され、血糖値を安定させようとしますが、処理後はインスリンも急降下し、全身に強い疲労感が現れます。
一方、タンパク質はホルモンや酵素の生成に働きかけ、疲れにくい体を作ります。タンパク質をしっかり摂ることで、チョコやポテトに頼らずエネルギーアップを目指しましょう。
特に脂肪の少ないタンパク質は血糖値の乱高下を防ぎ、疲労感の増加予防にも役立ちます。
良質なタンパク源:
栄養が偏っていたり、生理中の出血が重なることで鉄欠乏性貧血になることも。これは酸素を運ぶ赤血球が十分に作れず、全身が疲れやすくなる状態です。
鉄欠乏性貧血の症状は、倦怠感、皮膚の青白さ、胸の痛み、動悸や息切れ、頭痛・めまい・立ちくらみ、手足の冷え、舌の炎症や痛み、爪が割れやすくなる、氷・土・でんぷんなどの異常な食欲などが挙げられます。
子宮筋腫によって出血量が多い方や、食生活が偏りがちな方は、貧血に要注意です。
思い当たる場合は、ほかの避妊法について婦人科で相談しましょう。
49歳未満の女性の約1割が貧血に悩んでいるといわれます。長期間に及ぶ貧血は心臓筋への負担となり、心臓病のリスクを高めてしまうことも。牛肉・豆・レンズ豆・濃い葉野菜など、鉄分たっぷりの食材を積極的に摂ることで予防できます。
食生活を改めても症状が改善しない場合や、月経量・痛みが強くなってきたと感じる場合は婦人科へ相談を。紅茶の飲み過ぎは鉄の吸収を妨げますし、消化器の不調や胃潰瘍などが隠れていることもあります。
ただし、疲労の原因が常に鉄分不足とは限りません。マグネシウム不足も、疲れやすさやストレスを招きます。マグネシウムは神経と筋肉の伝達に不可欠で、不足するとイライラや不安・緊張・疲労感が出やすくなります。ダークチョコレート、豆類、レンズ豆はマグネシウムが豊富。ぜひ買い物リストに加えて!
生理中はどうしても体がだるく、運動から遠ざかりがちです。ヨガやジョギングを先延ばししたり、散歩さえも億劫になったり。でも実は、運動が有効だとする医学的根拠はたくさんあるのです!疲れている時ほど動くのは一見逆効果に思えますが…
有酸素運動(30分間のカーディオ、スピニング、ランニング、ウォーキング、ハイキング、エアロビクス、ダンス、クロスカントリースキー、キックボクシングなど)を週4~6回行うことで、ホルモンバランスが整い、心臓病リスク低減やコレステロール管理、健康増進につながります。
運動はストレス軽減・睡眠の質向上にも効果的。定期的に体を動かすことで、生理痛軽減も期待でき、心理的な不快感にも前向きに対処できるようになります。もちろん、エンドルフィン(天然の抗うつ物質)の分泌促進にも!
生理中はトイレのたびに憂鬱になりがちで、ついつい水分補給を忘れてしまいがちですが、実はこれも疲労対策にとても大切です。体は毎日約1.5リットルの水分を失っています。これを補わないままだと、内側から脱水状態となり、筋肉のこわばりや新陳代謝の効率低下で疲れやすくなります。
果物・野菜・スープなど水分を多く含む食品も体の水分補給に役立ち、エネルギー維持に役立ちます。
カフェイン入り飲料が脱水の原因になるという説は誤解です。適量であれば問題ありません。ただしアルコールは要注意。日中のワイン・ビール・蒸留酒は、眠気やだるさを増します。
「夜寝る前の一杯で眠りやすくなる」という説も間違いです。アルコールは確かに眠気を誘いますが、数時間後にはアドレナリン分泌を促し、心拍が上がり体が覚醒状態に。喉や舌の筋肉を緩めるほか、睡眠呼吸障害(いびきや無呼吸)のリスクも高め、夜間のトイレ回数を増やすため、眠りの質を悪化させる原因になります。
疲れているのに、生理中は眠れない…そんな女性も多いはず。お腹の張りや生理痛、夜中のナプキン交換…さまざまな要素が快眠を妨げます。どうしたら日中に疲れを残さず、しっかり休めるのでしょう?
生理中は体温が0.3~0.5度上昇します。寝入りをよくするためには、夜に体温が下がることが大切なのですが、このわずかな違いも眠りを難しくします。
対策:室温は16~19℃くらいが理想。寝る前にお風呂やシャワーで体を温め、その後涼しい部屋に入ることで体温を自然に下げる工夫も。掛け布団は軽いものにしましょう。
生理中は気分の変動が激しくなります。エストロゲンとプロゲステロンが低下することでネガティブになりやすく、不安や憂うつを感じがちになり、眠りにも影響します。
対策:こうした気分変動がホルモンの影響であると意識するだけで、体と心のバランスが取りやすくなります。サイクル管理アプリで、自分が特に気分が落ち込みやすい日を把握しましょう。
寝る直前のゲームやSNS、仕事のことを考えるのは避けましょう(ベッドの中もNG!)。これらはストレスホルモンのコルチゾール分泌を増やし、睡眠導入を妨げます。必要に応じて、経口避妊薬の使用も医師と相談を。ピルに含まれるプロゲステロンは不眠を和らげ、睡眠リズムを整え、より深い眠りに導きます。
生理中は吐き気・消化不良など胃腸の症状が出やすく、快眠の妨げになります。
対策:アイスやチョコ・甘いデザートでリラックスしたくなる夜ですが、寝る前の重い食事は避けましょう。快眠に役立つ食品もあります。アーモンドはマグネシウムとメラトニン、タルトチェリージュースもメラトニン、バナナ・クルミ・七面鳥はトリプトファンが含まれています。キウイや脂の多い魚はセロトニンを増やし、抗炎症作用も。ハーブティー(カモミール・パッションフラワー)は気持ちを落ち着かせ、カッテージチーズは就寝中の筋修復に役立つカゼインが豊富。夜の間食にどうぞ。
生理中の筋肉のけいれんや痛みは、子宮内膜でプロスタグランジンが生成されることで起こります。お腹や腰の鈍い痛みが強いと、寝つきを悪くします。
対策:市販のマグネシウムやビタミンB群サプリが効果を発揮することもあります。それでもダメな場合は、婦人科でイブプロフェンなどのNSAIDsや睡眠導入剤、メラトニンの使用について相談してください。昔ながらの湯たんぽや、パートナーとのセックスも痛みを和らげるのに◎。
痛みや漏れが心配な場合は、胎児のように横向きで寝てみましょう。
特に生理初日は出血量も多いため、寝具を汚すのが気になって眠れない…という悩みも。
対策:夜用の厚手ナプキンを使用すると漏れる不安が減ります。他にも、経血カップはタンポンやナプキンより多くの血液をキャッチし、寝返りでずれにくいので安心です。
ナプキンがズレないようショーツを二重に履く方や、吸水ショーツ・ベビー用オムツ・タオルや防水シーツを使う方もいます。生理中はお気に入りの寝具を“専用”にして、リラックスしましょう。
「眠れない…」と悩み過ぎて、ますます寝つけなくなることも。何時間もベッドの上でうだうだしているだけ…そんな夜には。
対策:「眠れない」と考えてベッドにとどまるより、一度起きてキッチンでハーブティーやホットミルクを作ったり、静かに1日を振り返ったり、翌日のToDoリストを書き出すのがおすすめ。テレビや読書は控え、眠くなったら布団に戻りましょう。
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