デリケートゾーンは健康について多くを語ってくれます。小さなサインに耳を傾けることで、大きなトラブルを未然に防ぎましょう。
膣は、たくましくも繊細な器官です。出産から回復する力がある一方で、石鹸にも敏感です。適切なケアのコツは、見た目やにおい、質感の変化を正しく読み取ることにあります。
人体には、消化や免疫などさまざまな働きを担う無数の微生物が生息しています。膣内フローラは主にラクトバチルス(乳酸菌)が中心で、これらは有害な病原菌の増殖を抑えることが知られています。ラクトバチルスが作り出す乳酸によって膣内は酸性に保たれるのです。
全身の健康的な食生活に加え、ヨーグルトやキムチ、ザワークラウト、ピクルス、リンゴ酢、コンブチャ、味噌など、プロバイオティクス(善玉菌)を多く含む食品を摂ることで膣内フローラをサポートできます。プロバイオティクスは消化や免疫力にも良い影響をもたらします。
健やかな膣内環境を保つには、日々の清潔ケアで膣内のpH変化に注意しましょう。具体的には、デリケートゾーン専用の低刺激・pHバランス対応の洗浄剤や水でやさしく洗い、石鹸や膣洗浄剤の使用は避けます(ボトルなどでpH値を確認)。清潔にするのは体の外側部分だけで十分、内側は自浄作用で守られています。
シワやくぼみに汚れが溜まっていないかも意識しましょう。自分自身の体を知ることは大切です。デリケートゾーンを観察するのは最初は抵抗があるかもしれませんが、「普通」の状態を知っておくことで変化に気づきやすくなります。鏡を使って自分の体をじっくり観察することで、大きな発見があります。
【ALT=毎日のフェミニンヘルス おりものの理解】
毎日のおりもの
おりもの(または頸管粘液)は、膣や子宮頸部の腺から分泌され、女性の生殖器の自浄作用の一部です。正常なおりものは、透明でさらっとしているものや、のびる性質があるものから、濃くミルク色のものまで幅があります。色や質感・量・においは、排卵や妊娠、性的興奮、運動量、膣内フローラの健康状態などによって変化します。
意識して観察してみると、1ヵ月のなかでこれらの変化が見て取れるでしょう。エストロゲンが多いときは、透明でつるっとしたおりものに。プロゲステロンが高いときは、白っぽくて粘度のあるおりものが多くなります。どちらのホルモンも少なくなる(生理直後など)と、おりものの量はかなり減るでしょう。ホルモン避妊薬を使用している場合、サイクルの変化が少なく、安定して白っぽいおりものが出る方もいます。
排卵直前はエストロゲンが最も多くなり、社交的で魅力的に感じる方も。これは受精しやすいタイミングだからです。透明でのびるおりものは、精子を卵子まで届けるのに最適な環境となり、性的興奮時に分泌されるものと同様です。
生理中は、子宮内膜や経血も混ざったおりものが増えます。経血は全期間にわたって同じ赤ではなく、多くの女性が変化する色のグラデーションを経験します。
茶色っぽい経血は生理の始まりに見られることが多く、血がやや古く流れが少ないサインです。流れが増すと暗赤色または暗紫色、そして鮮やかな赤へと変化します。鮮やかな赤は新しくて新鮮な血液、生理の最も量が多い時期に見られます。生理の終わりに向かうにつれて、再びこれらの色が逆戻りすることが多いです。
薄赤またはピンクのおりものは、わずかな経血と頸管粘液が混ざったもの。生理以外でも「スポッティング(不正出血)」として生理日以外の出血の際に経験する女性もいます。色が薄い場合、エストロゲン不足が続いている場合もあるので、気になる場合は産婦人科を受診しましょう。
グレーっぽい経血は、妊娠中であれば流産の兆候かもしれません。特に組織片が含まれている場合は注意が必要です。この場合はすぐに医師の診察を受けてください。
膣内フローラのバランスが崩れると、おりものにも変化が現れます。感染のサインは、悪臭やいつもと違う色・質感です。
白くてポロポロしたおりもの、外陰部の腫れ、ヒリヒリ感やかゆみ、性交時の痛みは、カンジダ膣炎の典型的な症状です。
黄色や緑色のおりものは、症状によって原因が異なります。濁った色で、排尿時にヒリヒリがある場合は、クラミジアや淋病が疑われます。泡状で悪臭があり、痛みやかゆみを伴う場合は、トリコモナス膣炎が考えられます。
細菌性膣症でも白色、灰色、黄色のおりもので、特に魚のような強いにおいが特徴です。
血の混じった、または茶色いおりものが生理期間外に続く場合や、水っぽいおりもので悪臭がある場合は、主な原因であるHPVによる子宮頸がんの可能性もあります。
感染症の予防には、定期的な検査や安全なセックス、セルフケアと知識が大切。ハッピーな膣が、ハッピーな毎日につながります。
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