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不安と月経周期

不安は私たちの生活の中でごく普通に感じるものです。ストレスを感じたときや、新しいこと・慣れないことに直面したときに現れます。不安は軽い落ち着かなさから、息苦しさや動悸、不安発作といった重い症状までさまざまな形で現れることがあります。

不安と月経周期のダイナミクスを解明する

チャレンジに直面したときにストレスや緊張を感じるのは自然なことですが、中には頻繁かつ激しく不安に襲われ、対処が必要なこともあります。では、もし月経の1週間前や数日前だけ不安を感じる場合は?それはホルモンバランスの乱れや婦人科系の健康問題を示しているかもしれません。

不安とは?

不安は人間の生活の中でごく自然に生じるものです。仕事上のストレス、私生活、人間関係など、さまざまな出来事が私たちにストレスをもたらします。不安は、落ち着かなさや恐怖、考えすぎ、強迫的な思考として現れます。また、手の震え、手のひらの汗、動悸、浅い呼吸、吐き気、めまいといった身体症状としても現れることがあります。

不安の程度は軽度から重度までさまざまです。軽い不安は危険な状況や慣れない場面に対する自然な反応ですが、強い不安や不安障害になると、日常生活や人付き合いに大きな支障をきたします。不安を抱えている女性は些細なことでもイライラしたり、うつ状態になることもあります。強い不安の場合、発作的に動悸が速くなり、呼吸がしにくくなり、吐き気やめまいを感じることもあります。


不安障害は、幼少期のトラウマや虐待の経験、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会的恐怖症やその他の恐怖症を持つ人に多く見られます。

このような状態とともに生きるのは決して簡単ではありません。多くの女性がカウンセリングや投薬などで不安に向き合っています。

しかし、トラウマや恐怖症の経験がなくても、一時的に強い不安を感じることがあります。その場合、体内のホルモンバランスの変動や 月経周期 が関係しているケースがあります。

月経周期とホルモンバランスの変動

月経周期は一般的に28〜35日間です。この間、妊娠の準備が進みますが、排卵期に受精がなければ子宮内膜は剥がれ落ち、また新たな周期が始まります。多くの女性は生理だけに注目しがちですが、周期全体を通したホルモンの変動は生殖機能だけでなく全身に影響を与えています。

ホルモンは身体のさまざまなシステムの“スイッチ”を担っています。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、肌や肝臓などの臓器、代謝、神経系の働きに影響し、気分にも変化を及ぼします。もう少し詳しく見てみましょう。

月経(排卵)周期は大きく三つの段階に分けられます。卵胞期(10〜17日間・月経期間も含む)、排卵期(24〜48時間)、黄体期(約14日間)です。それぞれの段階で特定のホルモンが作用し、気分や活力にも影響します。目に見えるのは子宮内膜の脱落=月経ですが、これが三段階の周期の始めと終わりのサインとなります。

卵胞期 は月経の1日目、すなわち周期の最初の日から始まります。エストロゲンとプロゲステロンは月経中の4~7日間は低い状態ですが、その後エストロゲンが上昇し、活力が増すと感じることが多いです。エストロゲンは卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促し、卵胞の成熟を進めます。そのうち最も成長した卵胞が優勢となります。エストロゲンがピークに達すると、社交的になり、好奇心が高まり、魅力的に感じることが多くなります。

排卵期は周期の中間で、エストロゲンの上昇とともに黄体形成ホルモン(LH)が一気に分泌され、成熟卵胞から卵子が放出されます。卵子は卵管内で精子と出会うことで受精します。精子の寿命は約3日、卵子は1日ほどしか受精能力がありませんので、排卵直前が最も妊娠しやすい時期になります。排卵のサインにはさまざまな指標があります。詳しくは当サイトの記事 「ホルモンの変化と月経周期」をご覧ください。

エストロゲンは子宮内膜の成長も促します。排卵後は黄体期に入り、エストロゲンが減少し、プロゲステロンが主役となります。このホルモンは着床のために子宮内膜を維持します。卵胞の残存部分(黄体)がプロゲステロンを分泌します。プロゲステロンの分泌は排卵後約1週間がピークで、まさに受精卵が着床する時期にあたります。受精しなかった場合、黄体は体内に吸収され、プロゲステロンも減少、子宮内膜は月経血として排出され、新たな周期の準備が始まります。多くの女性がこの黄体期に 不安やイライラ、抑うつなど、心の変化を軽度~中等度で経験します。

月経周期における不安の理由を探る


なぜ月経周期中に不安になるの?

ホルモンによる不安は、周期の終わり、月経が始まる1〜2週間前に 特に起こりやすい です。これはよく月経前症候群(PMS)の他の症状とともに現れたり、女性の約5%が経験するとされる月経前不快気分障害(PMDD)とも関係があります。むくみ、頭痛、イライラ、気分の浮き沈み、不眠、疲労、胸の張り、便秘や下痢なども特徴的です。PMDDはPMSよりも重く、日常生活に支障をきたすレベルになります。

もう一つの状態として月経前増悪(PME)があります。これはPMDDに似ていますが、不安や抑うつ、過食など精神症状がより強まるのが特徴です。


PMEの女性は、月経前に気分の落ち込みや不安、自殺念慮を感じやすいです。

黄体期に精神的な不調が悪化する明確な理由はまだ分かっていませんが、プロゲステロンの分泌が関与していると考えられています。

プロゲステロンは妊娠ホルモンとも呼ばれ、受精すると優勢になるホルモンです。ただ、妊娠の維持以外にも神経系や代謝機能に良い影響をもたらします。エストロゲンに比べて外部から補うのが難しく、主に体内で作り出す必要があります。

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毎月生理が来ていても十分なプロゲステロンが作られているとは限りません。月経周期の本当のゴールは排卵です。適切な環境が十分に整わなければ排卵が起きず、プロゲステロンも作られません。それがPMSやPMDDなどの症状を悪化させる一因となります。エストロゲン優勢・プロゲステロン不足の女性は、PMSの重症化や塊の多い生理、筋腫、ホルモン性片頭痛、気分の揺れ、不安やうつなどが現れやすくなります。

排卵があってもプロゲステロンが周期を通して十分に分泌されていない可能性もあります。ホルモンの状態は血液(通常は医療機関で検査)、唾液、尿(家庭用の検査キットあり)で確認できます。チェックするなら排卵直後が最適です。

問題に気づくには

ほとんどの場合、不安はトラウマや恐怖症、または生活環境によるものです。ホルモン変動は悪化要因になりますが、根本原因ではないことが多いです。もしあなたの不安の原因がトラウマにあるなら、専門医に相談し自分に合った治療方法を探しましょう。逆に、周期の大半は元気だが終盤でだけ症状が強くなる場合は、ホルモンバランスが影響しているかもしれません。

黄体期の精神症状に加え、腹痛・乳房の痛み・頭痛・ニキビ・疲労・消化不良など身体症状が見られるのが特徴で、これによって原因の特定にもつながります。いずれにせよ、ホルモン値のチェックをすることでバランス調整に役立ちます。治療を選ぶ場合も、日常習慣でストレス軽減や排卵準備をサポートすることが可能です。

ホルモンバランスを整えるには

ホルモンバランス不良と精神的不調の主な原因は、身体的・心理的ストレスです。近年は心のストレスに目が向けられるようになりましたが、身体的ストレスは気づきにくいことも多いです。

長年ストレスに気づかずに生活し、脱毛や生理不順・無月経、急速な老化、精神疾患・自己免疫疾患を発症する女性もいます。過度の運動や極端な食事制限、睡眠不足などの身体的ストレスは女性の不安の要因になりやすいですが、少しの生活改善で対策できます。

質の良い睡眠

健康を保つ上で良質な睡眠はとても重要です。日中のさまざまな小さなダメージから体が回復し、再生が進みます。これにより、治癒が促されストレスも軽減されます。多くの方は一晩に8時間程度の睡眠が理想的とされています。十分寝られなかった日は、昼寝を取り入れるのも有効です。

軽い運動

運動はストレスを増やす要素もあります。持続的な運動のコツは、合間に呼吸や心拍を調整する休憩をしっかり取ること。週に数回、30〜40分以上の激しい有酸素運動はお勧めできません。コルチゾール(ストレスホルモン)が増え、ホルモン産生を妨げることがあるからです。多くの医師は、黄体期は運動量を控えるよう勧めています。ウォーキングやヨガ、ピラティスなどの適度な運動はストレス軽減と生殖器の血流アップに効果的です。

栄養バランスの良い食事

月経周期各期の身体的変化には 十分なエネルギー・ミネラル・ビタミン が必要です。無理な食事制限はさらなるストレスや栄養不足を引き起こします。新鮮で多様、栄養価の高い食事を心がけましょう。特に黄体期は極端なダイエットを避け、たんぱく質・炭水化物・脂質をバランス良く含む少量ずつの頻回食を意識します。

リラクゼーション法

瞑想や呼吸法、入浴などはその日の緊張をほぐし、今この瞬間に意識を持ってきてくれます。ときには自分をいたわり、心身をゆるめる時間を持ちましょう。とくに周期後半はストレス過敏になるため、毎日の小さなマインドフルネスでも安定感をもたらします。

日光を浴びる

人は昼行性の生き物です。昼間に外に出て太陽光や暖かさを感じることで、体調やリズムが整います。日中30分以上太陽を浴びると、セロトニン(気分調整や神経系サポートに関与)、ビタミンD(神経機能に必須)の産生が促されます。

月経周期で女性が感じる変化は、全身の健康状態を反映しています。不安やその他の心理的徴候があれば、ホルモンバランスが崩れている可能性も。月経周期を通して自分の体をサポートすることで、心身の健康改善を実感できるはずです。

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https://www.nhs.uk/mental-health/conditions/generalised-anxiety-disorder/overview/#:~:text=Anxiety%20is%20a%20feeling%20of,medical%20test%20or%20job%20interview
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK279054/
https://www.medicalnewstoday.com/articles/anxiety-before-period
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3176921/
https://www.healthline.com/nutrition/vitamin-d-from-sun
https://intermountainhealthcare.org/blogs/topics/intermountain-moms/2014/02/ovulation-made-simple-a-four-phase-review/
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月経サイクルは、毎月の生理だけではありません。体の中と外に現れる変化は、思っている以上にあなたに影響を及ぼします。
平均的な月経周期は28日間です。私たちの生活はホルモンに影響し、それによって周期も変動します。例えば、ストレスが生理を遅らせることがあります。多少の変動は普通ですが、大きな変化があれば調べてみる必要があります。
いつか自分専用のヘルスアシスタントがスマホにいるなんて、想像したことはありますか?今、人工知能(AI)が話題ですが、まだAIや機械学習、自然言語処理といった技術がどれほど私たちの生活を便利にするかは始まったばかりです。最先端テクノロジーの象徴のようなAIですが、実は日常でも大きく役立ちます。例えば、生理周期や女性の健康情報をより身近にナビゲートしてくれます。